悪くなってきた歯が無麻酔で勝手に抜けるなら、それに越したことはない

とお思いではありませんか？

それは、実は大きな間違いです

歯が抜けてしまう時に悪くなっているのは、歯ではなく歯周組織です

自然に抜けるということは歯を支えていた土台である歯肉や顎の骨がなくなるからこそ抜けるのです

勝手に歯が抜ける頃には顎は一まわりも二まわりも小さくなっていることでしょう

歯を支えきれなくなるほどまでに骨が溶けるということは顎の骨折のリスクも大きくなります

更に、抜けてしまえば安心、ではありません

自然に抜けるまでには過程があります

歯周ポケットが大きくなり顎の骨が溶けていく途中で、不良肉芽という血行を阻害する肉の塊が歯と骨の間に入り込んできます

自然に抜ける時は不良肉芽はそのまま残ってしまい、骨の血行障害は続くので歯が抜けた箇所の骨は復活することが出来ません

抜けて痛みは軽減されるかもしれませんが、いつまでも骨折のリスクがつきまといます

不良肉芽をきちんと取り除いて骨の復活を促し、歯が抜けた骨の空洞を埋めていくには麻酔をかけて丁寧な処置が必要です

重度の歯周病が原因で顎が折れると、手足が折れた時のような整形外科手術で治すことは非常に困難です

自然に抜けたが顎も折れた、となる前に

きちんと歯周検査・X線検査を行い対処してあげてください