歯がないと食べられなくなる? いえ、大丈夫なんです
歯科診察にいらっしゃる飼い主様にお口の現状と抜歯の必要性をご説明差し上げると
「でも、歯がないとごはんが食べられなくなるでしょう?」
とよく質問を頂きます
人は食べ物を奥歯で噛み砕き味わいますから、歯がないと食べる楽しみが半減してしまいます
犬猫さんはどうでしょうか?
犬猫さんたちの歯の構造は人とはちょっと違っています
多くの歯がハサミの刃のようなかみ合わせになっていますので、そもそも食いちぎって丸呑みです
ですから歯がなくて丸呑みをしても大して変わりません
人と暮らしていると狩りをする必要もありませんし、食べる時は犬歯(きば)も使っていません。
歯周病が進行している場合には、食べる度に歯が揺れ骨に響きますし、出血もします
むしろ抜歯してあげた方が生活の質が向上します
無麻酔歯石除去等を続け頑張って温存しすぎると、歯周組織(歯肉・顎の骨など)がどんどん破壊され
顎の骨折などを引き起こすこともあり、ダメになった歯を残しておくメリットはありません
歯周炎が重度に進行してしまった歯は抜いてあげましょう
その方がお口の違和感や痛みからも解放され、行動が若返ったり食欲が出たりします
シニアの犬猫さんの治療をすると
「最近また走るようになった」
「おもちゃでまた遊ぶようになった」
「あんなに選り好みしていたのに何でも食べるようになった」
など嬉しい変化があるようです
「歳のせいだと思っていたけれど、口が痛かったのね・・・可哀想なことをしたわ」
と、おっしゃる飼い主様もいらっしゃいます
悪い歯を治療した後はホームケアが何よりも重要ですので
残った歯を大切にすべく、一緒に楽しく歯みがきを継続しましょう
当院シンボルマークにもなっております和音(かずね)です
ミニチュアダックスフンド(ワイヤーヘアード)・12歳・去勢オス
歯みがきジェルが大好きで、歯みがき準備をしていると先に寝っ転がって待っています!